八幡商・高木大世投手(3年)は試合後、「おじいちゃんの気持ちを背負って投げられたと思う。『ありがとう』と伝えたい」と今は亡き祖父、平良栄吉さんへの感謝を口にした。

兄康世さん(22)が野球をしていたこともあり、両親が応援に出かける間、栄吉さんと一緒に過ごした。「わがまま言って怒られたりしたんですけど、キャッチボールをやってくれたり、良いおじいちゃんでした」と当時を振り返った。

野球の楽しさを教えてもらった栄吉さんだったが、高木が中学入学直後にこの世を去った。「すごく寂しくて号泣しました」。深い悲しみに暮れながらも、心の中には祖父の存在があり続けた。

今夏は初戦から遺骨の一部をカバンにしのばせ、常におじいちゃんと戦ってきた。それは甲子園でも変わらず。試合前には「緊張をほぐしてくれました」と遺骨を握りしめ、7点ビハインドの8回、ついに聖地のマウンドに立った。空を見上げ「おじいちゃんが『お前やったらいける。俺が一番見てきたから』と言ってくれていると思う」と自らを奮い立たせた。2死一、二塁のピンチを空振り三振に抑え、ガッツポーズ。試合には敗れたものの「よくやったって言ってくれていると思います。ここで満足したらアカンと言っているかな」と栄吉さんとともに戦った夏を振り返った。その表情に涙はなく、充実していた。【田島優大】

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