敗退チームのドラマにスポットを当てる「胸張ってイイじゃん」を随時掲載し球児たちの奮闘に迫ります。
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東海大甲府(山梨)は健大高崎(群馬)の投手陣を打ちあぐね、0-1で敗れた。
東海大甲府・村尾竜弦投手(3年)は「高校球児としてこんな景色を見られるのはわずかな選手。一生分の思い出になりました」と、甲子園を見渡した。
1点ビハインドで迎えた6回途中。3番手としてマウンドに上がった。「外と内を使いながら、真っすぐで押す投球ができました」。2回2/3を投げ無安打無失点。しかし味方の援護なく、涙をのんだ。「県大会とはレベルが違う大観衆。そういう場で投げられたのは本当にうれしかった」。敗戦には悔いがある。でも、力を出し切ったことに胸を張った。
父の高志さん(45)は横浜商大高のOBで、98年夏、東神奈川大会準決勝で松坂大輔投手擁する横浜の前に敗戦し甲子園出場の夢が敗れた。竜弦は小3から野球を始めると父からその夢を託された。朝6時から一緒に練習。走り込みにキャッチボール。中学からは夜。高校入学と同時に寮生活が始まると、いつも電話で励ましてくれた。「お父さんや家族がいなかったら、ここまで来られなかった」と、感謝を口にした。
前日、父から「甲子園は祭りだ。楽しんで来い!」と、背中を押された。大観衆の前で自分の投球を全うした。「父が立てなかった舞台に自分が立てて、この景色を家族全員に見せられて幸せ」。この先は大学へ進学し4年後のプロ野球を目指す。【保坂淑子】

