【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)7日(日本時間8日)=斎藤庸裕】投打の二刀流で開幕へ、エンゼルス大谷翔平投手(25)が着々と準備を進めている。日米メディアの電話取材に応じたキャロウェー投手コーチによれば、現状で「180フィート(約55メートル)くらいか、もう少し長い距離で遠投をしている」と調整は順調な様子。「間もなく、マウンドから投げるだろう」とブルペン入りも間近で、投手として再びギアが上がってきた。

大谷はアリゾナ州テンピで行われていたキャンプ中に6度、ブルペン入り。当初の予定だった5月中旬の復帰登板を目指し、徐々にステップを踏んでいた。オープン戦とキャンプが中断となった3月中旬以降は、カリフォルニア州アナハイムの本拠地で右肘のリハビリを継続。開幕延期により可能性が高まった二刀流スタートへ向け、黙々と自主トレに励んでいる。

現時点ではメジャー開幕の時期は不透明。実戦想定の投球練習など、大谷の今後のプランについて同コーチは「推測は非常に難しい」と話した。それでも「180フィート以上の距離を投げられるのは、状態がいいということ」と前向きに話し、「腕の感覚も良さそうだし、非常にいいボールを投げている」と評価した。

大谷が開幕から先発ローテーションに加わることで、課題の投手陣に厚みが増す。開幕延期に伴い、試合数の消化でダブルヘッダーを多くするなど、例年以上の過密日程となることが予想される。大谷と同じく右肘をリハビリ中の若手右腕キャニングが復帰すれば、大谷、左腕ヒーニーらを筆頭に6~7人が先発可能。同コーチは「間違いなく、我々にとってプラスになる」と力を込めた。