レイズ筒香嘉智外野手(28)が、2試合連続で「1番DH」として出場。今季初の三塁打を含む5打数2安打1得点と、僅差の試合で貴重なホームを踏んだ。

「ハマの大砲」として鳴らした筒香が、リードオフマンらしい快足? を飛ばした。1-0と1点リードした3回。先頭打者として内角よりの148キロの速球をたたいた打球は、フェンス際で右翼手のグラブをはじいた。「ギリギリだろうなと思いました。本塁打になってくれたらなと…」。その願いこそ届かなかったものの、球が転がる間に、筒香は二塁を蹴って三塁へ到達。DeNA時代の2018年以来2年ぶりとなる三塁打を記録した。1死後、3番ローの適時打で生還。試合後はオンライン会見に応じ、「明日は足が張るかもしれません」と笑わせたが、終わってみれば勝ち越し点となる貴重な得点となった。

インパクトの瞬間、「完璧ではなかった」と振り返った三塁打は、詰まり気味だった。その一方で、筒香にとって「詰まりはOK」だった。「詰まらない打撃をすると、打者の弊害として必ず先に出て来ると、僕は思います。詰まることへの怖さは、僕の感覚にはないです」。体の前でさばくのではなく、ギリギリまで球を引きつけて、詰まりを覚悟で力強くスイングする。第4打席には、左腕フライのスライダーを引きつけて中前打。上昇の兆しは「詰まり」にあった。

すでにプレーオフ進出が決定し、地区優勝目前のレイズにとって、本当の勝負は10月。ポストシーズンが拡大された今季は、ワールドシリーズ最終戦まで最大22試合の長丁場となる。「いい時、悪い時といろんなとことがありましたが、自分の中で最高の準備をしながら、プレーオフを迎えられたらいいと思います」。マスクの上からのぞく筒香の目は、笑っていなかった。