さすがチームリーダーだ。広島の菊池涼介内野手(25)が、3回に均衡を破る1発を左翼席にたたき込んだ。27日の開幕戦を延長戦の末に敗れ、負けられない2戦目。今季チーム初本塁打で、就任1年目の緒方孝市監督(46)に初勝利をプレゼントした。プレーだけでなく、言動でも引っ張る元気印が、広島に勢いをもたらした。
開幕戦惜敗の前夜から続く重苦しい空気を菊池のバットが振り払った。両軍無得点の3回裏。2死走者なし、2ボールから振り抜いた白球は鯉党で埋まる左翼席に吸い込まれた。「弾道が低かったので全力で走っていた。結果的に本塁打になって良かった」。二塁ベース前で着弾を確認すると、スタンドからは割れんばかりの歓声が起こった。今季広島1号は、就任直後に直接チームリーダーに指名された緒方監督に初勝利を届ける決勝弾となった。
つなぎ役として3年連続チーム最多犠打を記録するだけでなく、思い切りのいい打撃で2年連続2桁本塁打を記録。この日の1発も、菊池らしい打撃だった。緒方監督は「見るときは見る。いくときはいく。それがきっちりできている。手綱を締めるとかムチを打つとかではなく、彼の感性を伸ばしてあげたい」と目を細める。
今季は監督から期待される中軸としての自覚も十分だ。開幕初スタメンで緊張する鈴木誠には「(打撃は)宝くじと同じで買わない(振らない)と当たらない」とユーモアを交えて助言。言動でもチームを引っ張っている。
指揮官からともにリーダーに指名された丸も2安打。「丸も打ちましたし、僕ららしい攻撃ができた。それで勝てたのは大きい」。そう話した菊池は、晴れやかな表情を浮かべながらも、次の戦いに表情を引き締めた。「そんなに力のある打線ではないので、つないでいかないといけない。明日も簡単にいかないと思うけど、僕らが1本打ってはね返せるようにしたい」。やはり今季も広島打線の中心には、キクマルコンビがいる。【前原淳】



