崖っぷちにいた男が連敗を止めた。ロッテ戦に先発した楽天の戸村健次投手(27)が、13年7月27日以来617日ぶりの白星を手にした。6回を自責点3に抑え「ホッとしました。内容がどうとかではなく、それだけです」。満面の笑みで喜びをかみしめた。
2度の逆転を許しながらも粘り強く投げ抜いた。14年の登板5試合は全て中継ぎで、先発も13年8月20日以来593日ぶり。「緊張してあまり覚えていませんでした」と、立ち上がりからいきなり3連打で2点を奪われた。だが、集中力を切らさない。低めにシュートとスライダーを散らす懸命の投球で、1点ビハインドではあったが、6回7安打4失点で救援を仰いだ。その姿を、大久保監督は「僕が2軍監督だった2年前の戸村なら、初回でズルズルいっていた。でも今日は堂々としていた」と称賛する。戸村の粘りに打線も奮起し、7回に2点を加えて逆転してくれた。
10年のドラフト1位。星野前監督に素質を高く評価され、11年には開幕ローテの一角にも入った。だが5年で7勝。「期待されて、それに応えられていない。今年は勝負の年」と背水の決意があった。オフには米国ロサンゼルスでマリナーズ岩隈らと自主トレ。そこでフォームのアドバイスを受け、投球時の骨盤の回転をより横回転にした。球のキレと制球が向上。「変化球を低めに集められた」とこの日の勝利につなげた。
大久保監督は「ローテ投手のような堂々とした姿だった」と高評価する。チームの連敗も4でストップ。期待の戦力が活躍し、打線も復調気配。ここから反撃に出る。【松本岳志】



