巨人高木勇人投手(25)がプロ初黒星を喫した。デビュー6連勝をかけてDeNA戦に先発。同点の8回に1死満塁のピンチを招き、相手のルーキー倉本に決勝の右前適時打を打たれ、力尽きた。11安打を浴びてもあと1本を許さず、辛抱強く援護を待つスタイルは健在。仕切り直す。
高木勇の長旅が終わった。同点の8回1死満塁。相手はDeNA倉本だった。土をつけまいと、先輩たちが超のつく前進守備でダイヤモンドを絞った。2球目の内角直球。厳しいコースも実松の待つミットよりボール1個半、高かった。上からかぶせられた。「うまいこと打ったな」と感じた。球足の速いゴロが一、二塁間を襲った。片岡が思いっきり飛び込んだ。グラブに当たるも届かない。軍配は倉本。初黒星を喫した。
「スタメン倉本」の渋い手に屈した。敬遠策で塁を埋め、ルーキー同士の勝負を選択した。ただ高木勇にとって、倉本は伏兵ではなかった。3月29日の初登板でも、逆方向へ2安打されていた。三菱重工名古屋出身の本格派と、日本新薬出身の好打者。中部と関西の伝統チーム同士、対戦を重ねていた。勝手知ったる新人にやられ「詰まらせようと思って投げたが。詰まったけど。コースが良かった」。悔しさが露となった。
敗戦の味とは、やっぱり、苦々しいものだった。「来てもらったファンに申し訳ないです。まだまだ勝負できたし、ギアを上げられたところで失点してしまい、残念です」と悔いた。決勝点の内角直球。同点とされた2回、バルディリスへの「高木ボール」。ともに狙いより浮いた。被安打11。対戦が進むほど、わずかな狂いも見逃してくれない。「次に向けてまた頑張ります」。制球を研ぐ。頑張りの力点は定まった。
居場所を自分で開拓してきた。何度も指名漏れし、3位で名門に入り、ブルペンで目立ち、ローテに食い込んだ。原監督に命名してもらった「高木ボール」と「僕は僕です」のお立ち台で野球好きをうならせ、デビュー5連勝と月間MVPで名前を売った。しかと見届けてきた原監督は「しっかり立て直してきたけど。よく(試合を)つくっているし」と言った。一息ついただけ。また歩むだけだ。【宮下敬至】



