しびれるような場面でも、楽天松井裕樹投手(19)は顔色ひとつ変えなかった。8回2死からマウンドを託され、迎えた9回裏。一打同点の2死一、三塁で打席には中島。フルカウントから投じたのは、内角高めのチェンジアップ。思い切り腕を振り抜いた分だけタイミングを外し、打球はレフト聖沢のグラブへおさまった。2安打を浴びながらも0で切り抜けた、31球の大熱投。大久保監督は「走者を出すのにゼロで抑える。本当にいい投手じゃないとできないよ」と最敬礼だった。

 今季7セーブ目で連続無失点記録は13試合、16イニングに伸びた。それでも「武藤さんの初勝利を消さなくて良かったです」と、チームへの貢献を一番に喜んだ。その後に続けたのも、自身を引き締める言葉。「こういう舞い上がって勝った試合の時こそ、反省を忘れがちになる。西野さんに粘られた場面はもっと工夫できたはず。配球を嶋さんと見直したい」と、貪欲に上だけを目指す。

 3日前には志願して2回54球を投げたばかりだが、1度マウンドに上がれば全力勝負で相手を封じ込めた。「走者のいる場面で抑えることが信頼につながるんです」。守護神として、19歳が格段の進化を続けている。