阪神能見篤史投手(35)が粘り勝ちで今季3勝目を手にした。1点リードで迎えた9回。1死二塁からバルディリスに左翼線へ同点適時打を浴びた。マウンド上で唇をかみしめたが、すぐに表情を戻した。勝ち越しを許さず、最少失点に防いだ。その直後の延長10回の勝ち越し劇。9回113球を投げ終えた能見は「(9回は1点で)切れたというか、抑えられて良かった。とにかく勝てて良かった」とホッとした表情で振り返った。
横浜から遠く離れた地の応援も後押しになった。小学校時代、能見が所属していた「小坂プラッキーズ」が、今年で40周年を迎えた。CSや日本シリーズの関係で出身地の兵庫県豊岡市(旧出石町)にある後援会の激励会にこのオフも参加できなかった。しかし、記念すべき年にチームへ何か贈りたかった。所属する子どもたち1人1人へ書いたサインとボールを、後援会を通じてプレゼントした。
地元は阪神だけでなく巨人ファンの子どもも多いという。「それでも能見くんは特別。みんな能見ファンですよ」と後援会会長の岩見俊昭さん。学校が休みの土曜日。きっとテレビの前では能見の3勝目を待ち望んでいた小さな力強い応援団から声援が飛んでいたはずだ。
4月26日広島戦以来、4試合ぶりの白星。自身の連敗を3でストップした。「最初、マウンドが合わなくて藤井さんに苦労をかけた8回ぐらいが一番良かった」。手にした約1カ月ぶりの白星は、苦しんだ分だけズシリと重かった。【宮崎えり子】



