「代打大谷」が勝利を呼び込んだ。日本ハム大谷翔平投手(20)が、広島2回戦で、今季初めて代打で安打を放った。2-0の7回1死二塁で登場し、広島大瀬良から右前適時打。交流戦初安打が貴重な追加点となった。これでチームは今季3度目の4連勝。敗れたロッテを抜き、交流戦首位に立った。

 奮い立った心で、白球を拾った。大谷が、長い両腕を目いっぱい伸ばした。快投していた広島大瀬良の心を、へし折った。2夜連続の代打で投入された7回1死二塁。カウント1-2からの4球目だった。高めに浮いた外角チェンジアップ。バットの先に引っ掛け、振り切った。一、二塁間をゴロで、ぶち抜いた。杉谷に続く連続適時打。この回2点目。緊迫の投手戦から一転、快勝へと誘った。今季4度目の代打で初安打。西川のスクイズも飛び出し一挙3点を積み上げ、4連勝への流れを決定付けた。

 大谷 タマタマです。向こう(大瀬良)の失投です。代打で散々、結果を出していなかったので、これからです。

 失地回復へ再スタートになった。セ本拠地では今季、代打起用に限定。今カード前だった。栗山監督は「どうせ打たないじゃん」とジョーク交じりに、尻をたたいていた。前夜。広島のエース前田と対戦。スイッチが入った。2点を追う7回2死一塁。一発が出れば振り出しに戻せたが、見逃しで3球三振を喫した。手玉にとられていた。チームは9回に一挙5点で逆転勝ちも、輪から外れていた。

 一夜明け、同じく広島の看板右腕の大瀬良。再現VTRのような対処をされた。2球で追い込まれた、3球目だった。ボールで見極めたが、内角直球。プライドをくすぐられるような、明らかに3球勝負を挑まれた。「内容は変わっていない」と本来ではない打撃の状態を見透かされたが、リベンジ。屈辱的なリプレーを、執念で回避。栗山監督が「投手の調整も難しい中で結果が大事。よく打った」と、ねぎらう一振りだった。

 感性でわが道を行く。完全開花の兆しの投手、この日の野手。少し驚きの舞台裏がある。日本ハムの若手は対戦相手のデータを分析、動画などで予習してイメージを作る選手が多数だが、一線を画す。大谷は余計な詰め込みを実践せず、画像をチェックするのは自分自身の投球、打撃のフォームが主だという。大瀬良は昨季も3打数2安打1打点。呼び覚ました記憶に、センスを重ねた快音だ。「いいキッカケになればいい」。貯金は今季最多11。6日には阪神戦(甲子園)で、投手で先発する。「二刀流」の歯車がかみ合う予兆は十分。進撃をけん引していく。【高山通史】