ナゴヤドームの熱気は午後10時を過ぎても変わらない。声をからしメガホンをたたく子どものファンがいた。中日は延長12回2死満塁まで攻めたが松井雅が二ゴロ。今季初の引き分けでゲームセットを迎えた。
熱戦は先発大野雄大投手(26)がもたらした。9回までの主役は惜しくも快挙を逃した。1-0の9回に追いつかれ、シーズン3度目の1-0完封ならず。達成なら球団54年ぶりの快記録だった。
9回1死。完全に打ち取った栗山の打球は三遊間にはずみ内野安打。続く浅村にフルカウントからの外角134キロを痛打された。狙い通りのコースだった。大野は打球をうらめしそうに眺めた。「相手が上でした」。脱帽するしかなかった。
チームが苦しいときにはいつも大野が助けてきた。前回の1-0完封は5月16日の阪神戦。連敗を3で止め、逆に4連勝の上昇気流に乗せた。今回は3カード連続の負け越し中。負ければ借金が最多の5に膨らむところだった。
しかも相手は天敵の西武岸だ。これまで交流戦で8戦して6敗。6連続で白星を献上してきた。ナゴヤドームでは2連続完封負け。データ通り、2回にルナの3号ソロで1点を奪うのが精いっぱいだった。
交流戦は前半を終了。谷繁兼任監督は「最後も追いつかれたけど、追い越されずに帰ってきた」と左腕の踏ん張りをたたえ「2つ借金ですね。数字より1戦1戦しっかり戦うことです」。疲れも悔しさも内に隠し、いつもの言葉を選んだ。【柏原誠】



