戦力を底上げした「総力戦」でペナントレースを制する。阪神和田豊監督(52)が23日、甲子園での指名練習で大和外野手(27)と俊介外野手(27)の「センター候補」を熱血指導した。前日22日にプロ2号を放った新人江越を含めレギュラー争いを再燃させて、チーム力を高める狙い。鍵を握る中堅層を刺激した。

 首位固めに向けて和田監督が動いた。甲子園室内での指名練習、フリー打撃を終えた大和に歩み寄った。身ぶり手ぶりのマンツーマン指導。最後は自らトスを投げて、ポイントを確認させた。

 和田監督 インコースに強い選手だから。他のことをやろうとして、そこが消えているというか。そこを残しながらプラスアルファになってくるとね。打撃コーチの時に見ているからいい時の大和も知っているし。

 今季も中堅のレギュラーとして開幕を迎えたが打撃で結果が出ずに、現在は打率1割9分に沈んでいる。スタメンの機会も減った。何よりも指揮官が危惧しているのは武器である「内角打ち」が影を潜めていること。2番の役割を意識するあまり、最大の武器が消えてしまっているのではという指摘だった。

 「いい時は内角もさばけていたので…。感触は徐々に良くなっています」

 練習終了後、黙々とバットを振り続けた大和は汗をしたたらせながら、こう言った。

 センターを争え! 人気アイドルグループではないが、指揮官はこのフレーズがチーム力を底上げするポイントと考えている。現在の布陣はセンターが固定出来ず、打線では主に2番、7番が日替わり。前日22日の巨人戦で新人江越が貴重な追加点となる2号ソロを放って勝利に貢献した。鳥谷が1番に復帰し、クリーンアップが安定してきた現状では“センター”が鍵を握る。

 大和の指導を終えた和田監督は、個別でティー打撃をしていた俊介にも歩み寄った。

 和田監督 ここからは控え選手が重要になってくるからね。総力戦というか、ベンチにいるすべての選手が(スタメン候補に)入ってこれるような。江越? もちろん。昨日、いいものを見せてくれたし。大和も、もう1回ということで頑張らないと。それがチーム力につながっていく。

 堅守と内角打ちの大和、攻守に粘りと安定感がある俊介、パワーあるフルスイングが魅力の江越など。個性あるメンバーがどれくらい高いレベルでポジションを争うか。それが猛虎・夏の陣を占うことになりそうだ。【鈴木忠平】