日本ハム中村勝投手(23)が、5度目の登板で待望の今季初勝利を挙げた。0-0の4回に楽天藤田に先制ソロを許しながらも、その後は粘りの投球で7回4安打1失点にまとめた。昨季は自己最多の8勝をマーク。さらなる飛躍が期待されながらも苦しんでいたが、首位ソフトバンク猛追へ結果を出した。

 苦しんだ日々は、過去のものになった。中村が自らの力でつかんだ今季初白星。「良かったです。チームが勝ったのが一番。勝ちをつけられていなかったので」。監督、コーチの“握手攻め”に、投手陣随一のイケメンは破顔した。

 初回、先頭・聖沢の初球にフォークを投じた。「今日は全球種でストライクが取れて、勝負ができた」。得意のカーブに、チェンジアップ、直球を組み合わせ、楽天打線に的を絞らせなかった。4回、藤田に先制ソロを浴びたが「しっかりと切り替えられた」。7回4安打1失点。前夜サヨナラ負けを喫した重たい雰囲気も快投で吹き飛ばした。

 4月29日ソフトバンク戦の今季初登板は4回途中5失点KO。続く楽天戦も2回途中に4失点で降板し、1軍の舞台から姿を消した。昨季8勝を挙げ、今年はシーズン150イニング以上の登板目標を立てた飛躍のシーズンだった。「このままだと野球が嫌いになりそう」。気分を変えるために、投球フォームをセットポジションからノーワインドアップにモデルチェンジした。プロ6年目で初めてのことだった。

 桜は散り、梅雨は明けた。暦は8月になっていた。「焦りはなかった」。復帰3戦目、ようやく努力は結実した。心掛けたのは「ファームと1軍が別物にならないように」。これまでは気負いが力みにつながり、制球を乱した。この日は違った。躍動感たっぷりに腕を振った。ゆったりと投球動作に入るノーワインドアップも効果的だった。「リラックスして、いい意味で力が抜けてマウンドに立てていると思います」。シーズンは佳境だが、頼もしい柱が、帰ってきた。【本間翼】