獅子ハンターだ! 高卒4年目の日本ハム石川慎吾外野手(22)が、西武20回戦で値千金の決勝打を放った。0-0の4回2死二、三塁、中前2点適時打を放ち、この試合唯一の得点をたたき出した。これで西武戦は10試合で2本塁打を含む8安打7打点の勝負強さを発揮。スタメンで起用した栗山監督の期待に応えた。チームは貯金を今季最多の20に伸ばした。
初志貫徹で、難敵を攻略した。石川慎は割り切っていた。「変化球が来たら、ごめんなさいでした」。4回2死二、三塁。西武岸の直球だけを待って、射止めた。1ボールからの2球目。外角高めに来た145キロを打ち返すと「抜けてくれ」。祈りは通じた。岸の足元を抜けた打球は先制の中前2点適時打。内に秘めていた闘志を右拳に込めてガッツポーズした。
西武戦に強い。今季11打点中、7打点を挙げている。抜群の相性の良さだが、本音は「西武戦に限らず、活躍したいです」。ただ、自分なりに感じる要因もある。「僕はチームのことを考える余裕は、まだまだないです。中田さんやダイさん(陽岱鋼)らに任せっきり。先輩がプレーしやすい環境を作ってくれている」。おごることなく、先輩らの配慮に感謝した。
自身にとって、特別な試合でもあった。スタンドには大阪・堺市に住む両親が見守っていた。プロ4年目で初めて札幌ドームに招いた。父佳二さん(53)は「入団会見以来ですね。お盆明けに行きたいと言ったらチケットとかいろいろ、用意してくれたんですわ」と、孝行息子に感謝した。
目の前で決勝打を放ち、お立ち台にも上がった。「初めてですよ。親の前で、あんなふうに打ったのは。良かったです」と、元気な姿を届けることができた。普段は野球の会話はしない。帰省していた今年の正月、エールを送られた。「頑張りや。今年は勝負やで」。多くを言わなくとも伝わる親心を受け取った。同市内で営む居酒屋「いし川」を臨時休業してまで駆けつけた両親に、最高のプレゼントで恩返しした。
チームにとっても、大きな決勝打となった。貯金は20に到達。「シンゴが、よく打ってくれたよね」と、たたえた栗山監督にとっても、就任4年目で初めての数字だ。「そこからが、これだけ強いソフトバンクとの勝負だと思っていた」。一方で、首位を快走するライバルは、この日も勝って貯金38。「38に比べたら20は、へぼい。我々は、もっと勝たないと。考えても差は詰まらない。とにかく明日の試合を勝ちにいく」。現実を受け止めながら、上だけを目指す戦いは残り30試合。石川慎が見せた思いきりの良さのように、悔いなく目の前の試合を1つ1つ戦っていく。【木下大輔】
◆石川慎と西武戦 西武戦では勝負強さを発揮している。6月26日は代打で今季1号。6月28日は6番右翼でスタメン出場し、菊池から7回に決勝2号ソロを放つなど2打数2安打1打点と活躍した。この日も3打数1安打2打点。10試合で8安打、7打点、2本塁打をマークしており、自身のカード別成績では最多となっている。
▼日本ハムが貯金を今季最多の20に伸ばした。貯金20到達は11年以来4年ぶり。貯金を20以上に伸ばしたのは東映時代の61、62年、日本ハムでは93、98、06、09、11年。そのうち、最終的に優勝したのは62、06、09年。それ以外の年は2位になっており、3位以下に落ちたことはない。



