こんな試合は最後にしたい。広島がミスで自滅しヤクルトに完敗。借金は5に膨らんだ。大事な時期で相次ぐ凡ミス。小雨が降っていたとはいえ、球場の半分以上を埋めたカープファンは声をからしていた。「もういいかげん見飽きた」と、緒方孝市監督(46)も怒り心頭。残り23試合。勝っていくしかない。
激励とヤジと小雨を浴びながら、緒方監督は急ぎ足でクラブハウスへの道を歩いた。神宮の左半分をびっしりと埋めた赤。大敗の試合後もフェンスに張り付いて声をからしてくれていた。そのわずか数十メートル先で散見された集中力を欠いたプレー。責任を痛感した。1球を巡る攻防を見せるには、程遠かった。
「結局ミス、ミスだ。負け試合の要因はミス。もういいかげん、集中力のないプレーはいい。見飽きた。雨が降ろうが関係ない。これだけのお客さんに入ってもらっているんだから。もちろん俺の責任なんだけど。考えなおさないと」
警戒し続けた末に、悲しさすら漂うミスだった。6回にヤクルト山田に30盗塁を決められた場面。捕手石原が投じた先の二塁ベースは“無人”だった。二遊間の痛恨の連係ミスで、ボールは芝の上を転々。3連戦は投手陣が何度もけん制をはさみ、1秒1台のクイックタイムで警戒した。だが結局3試合で3盗塁を許しセ・リーグ最多の11盗塁を許す“お得意様”になってしまった。
先発戸田は2回にボークから失点するなど精彩を欠いた。攻撃陣はヤクルト館山を打ち崩せず。6回までに4併殺を重ねた。ねらい球を絞りきれず、打たされているようだった。指揮官は結果ではなく、準備について問うた。淡々とアウトを重ね、終わっていく姿が気になった。
「結果については言わない。併殺を怖がったらバットが振れなくなる。でもそうじゃない。どういう準備で向かっていったか。それだけを問いたい。打たされたのか、しっかり振ったなかでのことなのか」
カード負け越しで借金は5に膨らんだ。負けられない戦いに挑んでいるにしては、寂しい内容だった。残りは23試合。依然として崖っぷちに立たされている。ユニホームを泥まみれに、がむしゃらに向かっていく野球をファンは待っている。こんな試合はこの日限りにしたい。【池本泰尚】



