西武浅村栄斗内野手(24)が、おかわり君不在の穴を埋める1発を放った。1点リードの5回2死一、二塁で約1カ月ぶりとなる12号3ランで貴重な追加点を挙げた。主砲中村の欠場が続く中で、最近は影を潜めていた長打力で勝利をたぐり寄せた。激化するCS争いは4位ロッテと1ゲーム差の平行線状態が続くが、残り6試合を勝ちきる。
2度と再現できないと自負する一振りが、久々の1発を生んだ。5回2死。栗山、メヒアが四球と安打でつなぐ。わずか1点リード。ベンチでは先発菊池がマメの影響で降板することが決まっていた。主砲中村のような大勢を決める役割が、浅村に求められていた。
オリックス山田の内角低めのチェンジアップは見送ればボール球。思い切り、かち上げた。放物線は歓声を帯びて左中間席に飛び込んだ。「外野の頭を越えるかどうか、と思った。ホームランの感触は久しぶりなので。難しいコース? もう1回、打てと言われてもできるか…」。11号も26戦ぶり、今回の12号も29戦ぶりと間隔が空いた。「最近は右方向にしっかり打てなくて『あれ?』となった。ポイントのずれがあった」。感覚のチューニングを行い、苦悩の末だった。
まだ24歳だが、経験と実績がある。けん引する役割も期待される。中村が背中の張りで2戦連続欠場。「今は自分がやらなきゃとは思わない。自分よりすごいバッターがいるし、つないでいくだけ」と前面に出るつもりはない。
それでも引退する森本から「かぶり物は世代交代。浅村に託す」と意外な後継指名を受けた。1月のイベントで羊のかぶり物をした“実績”がある。「自分は厳しい(苦笑い)」と、やんわり拒否。だが野球のパフォーマンスで魅せる決意はある。「(最近は)ふがいない思いがあった。この1本で乗っていきたい」。チームにAクラスの冠をかぶらせる。【広重竜太郎】



