阪神鳥谷敬内野手(34)が適時打でチームを鼓舞した。左袖に付けられた喪章が力強く揺れたのは、3点差に迫った6回2死一、二塁だ。中日祖父江の外角直球を流し打つと、一瞬だけスピードを上げた。三遊間を破る適時左前打を見届けると、肩の力を抜いて一塁を回った。諦めない思いを、キャプテンが背中で示した。

 中村GMの訃報にふれた前日23日、東京から名古屋へ移動する際には「目の前の1試合1試合をしっかり頑張るしかない」と言葉をつなぎ合わせた。鳥谷にとって中村GMは早大の大先輩。同じようにタテジマ一筋の選手生活を送ってきた。前日にしぼり出した思いをバットにぶつけた。

 結果は2-4。必死の反撃も届かず、勝利にはつながらなかった。試合後は「次につながる適時打か」と問われ、「そうですね、はい」とだけ話してバスに乗り込んだ。12連戦は今日25日で8試合目。また、目の前の一戦に全力で向かうしかない。