独り相撲で逆王手を許した。26歳の誕生日を迎えた巨人菅野智之投手が、阪神とのCSファーストS第2戦に先発。1回先頭の鳥谷に四球を与えてリズムを乱し、ゴメス、マートンの中軸に連続本塁打を打たれた。「結果がすべて。先頭の四球で悪い雰囲気にしてしまった。いくら悔やんでも、この瞬間は帰ってこない」と認めた通り、ワンマッチでは万死に値する開始10分の3失点。4回4失点KOでタイに持ち込まれた。

 苦い誕生日になった。2回1死一塁の打席では、送りバントを失敗し併殺に。4回1死一、二塁では送りバントの処理を焦り、珍しく三塁へ悪送球。ダメ押しに等しい4点目を与えると、記録員から「犠打野選とエラー」という屈辱のアナウンスが流れた。「恥ずかしい。まだまだ甘い。悔しいし、情けない」と、ざんげの言葉を並べた。

 「10月上旬に、100%の状態に持っていく」。年初に誓った。自滅でチームの上げ潮を止め、目標は達成できなかった。特にマートンに許した3点目のソロが不用意だった。外国人に対する本塁打直後の初球。シュート回転した内寄り直球は、要求と逆だった。足の指を痛めて強く踏み込めないマートンは、大好きな内寄りのボールを強く引っ張る練習を繰り返していた。手負いの助っ人にはおあつらえ向きの1球だった。

 先発隠しのチーム方針で、初戦に投げたマイコラスの調整に合わせた。情状酌量の余地がない乱調に、原監督も「警戒して四球。ホームラン、ホームランじゃね。フォローのしようがない。教訓に」と厳しかった。2年契約の最終年。集大成の短期決戦と定める。「明日ですね」と強く締めた。「チャンスが回ってくると信じて。名誉挽回したい」と菅野。ぶざまな姿で終われない。修羅場でやり返す。【宮下敬至】