ヤクルト小川泰弘投手(25)が、24日から始まる日本シリーズでリベンジを狙う。対戦するソフトバンクは、5月29日の交流戦(ヤフオクドーム)でめった打ちにされた相手。内川、李大浩、柳田、松田に4発を献上した。第2戦の先発が濃厚な小川は、あの時とは違った姿を見せつけ、チームの14年ぶりの日本一へ貢献する。

 やられたら、やり返すだけだ。全体練習を終えた小川は、ソフトバンクとの日本シリーズに向けて静かに闘志を燃やした。脳裏に浮かんだのは、5月の出来事。「一番悔しい試合。いくら調子が悪かったとはいえ、4発も。あそこまで打たれるのは初めて。ソフトバンクとやれて、うれしい。違った自分を見せられる。やり返したい気持ちは強いです」と、思いの丈を口にした。

 屈辱的だった。タイミングが合わず、試合途中から、左足を胸の高さまで上げる代名詞の「ライアン投法」を封印するほどだった。打ち込まれた事実以上に、気持ちの整理はつかなかった。「あの日はセットポジションの方がしっくり来ているとはいえ、プロに入ってからあの投げ方をやめたのは初めてでした」と顔をしかめた。

 あの日のライアンは、もういない。課題だった「間合い」を改善した。8月中旬からロジンバックの置く位置を変更。プレートの右斜め後ろ、約3歩分の位置に置いていたが、足元に置くようになった。真中監督から「投げるタイミングが遅い。いいピッチャーは隙がない」と言われ、三木作戦コーチから「ロジンを触る場所を変えるだけでも時間の短縮になる」と助言を受けたことがきっかけ。投球間に観客を見渡していたルーティンも改善。打者に考えさせる時間を減らすため、投球間の間隔を狭めた。前半戦を4勝6敗と折り返したが、改革の効果で後半戦は7勝2敗と勝ち越した。

 新たな姿で、巨大な敵に立ち向かう。第2戦に先発が濃厚な小川は「ソフトバンクはどこからでも本塁打が出る打線。攻撃的だし、積極的なスイングをしてくる中で、キャッチャーの要求に応えていきたい」と意気込みを口にした。リベンジマッチを制し、チームを01年以来の日本一へ導く。【栗田尚樹】

 ◆5・29VTR 小川がプロ3年目で初の1試合4本塁打を浴び、自己ワーストタイの7失点。1回に4番内川の2ラン、5番李大浩と連続被弾。3回先頭の3番柳田、6回先頭の6番松田にもソロを献上した。直球にキレがなく、決め球のフォークが抜け6回9安打。「何とかしようと思ったけど、ずるずるいった」とぼうぜんとした。