切れてくれ。願いもむなしく打球は左翼ポール際に吸い込まれた。ヤクルト小川泰弘投手(25)は4回、李大浩の大飛球を見上げた。柳田に四球を出した後の初球、外角低めのカーブを捉えられた。「うまく拾われた。初球をカーブで取れれば攻めやすくなると思ったんだけど、もったいなかった」と悔やんだ。

 5月29日、交流戦のソフトバンク戦で6回を投げ4本塁打で7失点を喫した。その時、本塁打を打たれたのが、内川、李大浩、柳田、松田の4人。離脱した内川とは対戦できないが、痛い思いをさせられた3人を相手に、再びやられるわけにはいかない。「リベンジのチャンスを与えてもらった。前向きな気持ちでいきたい」と向かっていった。だが、返り討ちに遭ってしまった。

 2番手の秋吉もソフトバンクの勢いにのまれた。5回の2死満塁のピンチこそ切り抜けたが、6回には中村晃に1発を浴び、さらに連打で失点を重ねた。3番手のオンドルセクもすんなりいかない。毎回のようにピンチを招き、重圧を受け続けた。主導権を握られたまま2試合が終わった。

 三木作戦コーチが、ソフトバンクの強さを分析する。「脅威を感じるのは守備のリズム感。守備から攻撃につなげるリズム感を生み出すのが非常にうまい」。ヤクルトも攻撃につながる守備をしていこうと、春のキャンプから併殺が取れる内野守備力を磨いてきた。シーズンでは、それを爆発的な攻撃力に結びつけることができた。だからこそ感じた。敵の守備には、理想とする形の一端があった。

 石川、小川の2人で連敗を喫した。苦しい状況で本拠地に帰ることになった。流れを変えるには、まず守備のリズムをつかまないとならない。投手陣の踏ん張りで、ソフトバンクの勢いを止めるところからが勝負だ。このままでは終われない。【竹内智信】

 ◆小川の前回ソフトバンク戦 5月29日の交流戦(ヤフオクドーム)で対戦し、プロ3年目で初の1試合4本塁打を浴び自己ワーストタイの7失点。1回に内川の2ラン、李大浩と連続被本塁打。3回に柳田、6回には松田にもソロを献上した。直球にキレがなく、決め球のフォークが抜け6回9安打。