こんにゃく打法で長打力を養え! 楽天梨田昌孝監督(62)が2日、岡山・倉敷市内でスタートした秋季キャンプで熱血指導を行った。福島・いわき市出身の内田靖人内野手(20)に約1時間付きっきりでフォームを伝授。自らバットを握り、代名詞だった「こんにゃく打法」を披露するなど、パンチ力を上げるための打撃のコツを教えた。18日まで行われるキャンプで自らが先頭に立って指導し、戦力の底上げを図る。
着けていた手袋、ネックウオーマーが邪魔になった。楽天梨田監督の声に熱がこもっていく。「もっと来い! バッティングにはその力が必要だ!」。内田のバットを押さえ、体重移動をたたき込む。じっとりと汗をかき、防寒具を脱ぎ捨てるとギアが入った。「クセがあった。矯正だよ。気付いたら早い方が良い」とバットを奪い取ると、独特のフォームで打ち始めた。こんにゃく打法の伝授だった。
和製大砲育成へ黙っていられなかった。185センチ、86キロと抜群の体を持ちながら、素材を生かし切れていない。「バットのヘッドが出てこない。軸足に体重をためているけど、前に出る力がないし、ロスしている」と欠点を見抜いた。グリップの位置が低く、手首の使い方が硬い。改善のためには力を抜き、しなやかにバットを出すことが重要。自らの代名詞である打ち方が手本になると直感した。
フォーム改造への劇薬だった。「やったことのない経験をさせるのが重要。目からウロコを落とさせる。こんなバッティングもあるのかと気付かせたかった」と意図を説明した。午後の特打の間、約1時間付きっきりだった。内田も初めての体験に「俺の打ち方をやってみろと。新しいことに挑戦するのは大事。何かつかめたらいい」と積極的に吸収しようとした。
指揮官の願いもあった。期待の2年目の背番号は「8」。「僕も8をつけたし、(打撃コーチの)礒部も8だった。やっぱり8が輝かないとね」と自らも背負った愛着のある番号が活躍すれば、チームが活気づくという思いがある。本塁打を量産する次代のスターに育てば、戦力の底上げにもつながると確信していた。
指導を終えると満面の笑みで振り返った。「最後は別人みたいだったね。来春に面白い存在になるかな」と。2年連続最下位からの脱出へ、キャンプ初日から名将が熱くたぎっている。【島根純】



