巨人阿部慎之助内野手(36)が、今日25日に契約更改交渉を行う。打棒を取り戻すべく捕手に別れを告げ臨んだ今季は、故障と不調に苦しみ打率2割4分2厘、15本塁打、47打点に終わった。日本球界最高峰の推定年俸5億1000万円から、大幅なダウン提示が予想される。潔い阿部は「3秒で判を押します」と断言。一発サインを巻き返しの合図にする。

 サバサバしていた。ジャイアンツ球場での自主トレを終えた阿部が、自身の契約について「3秒で判を押しますよ」と一発サインを断言した。5億1000万円から1億数千万円のダウンは確実で、野球協約で定める減額制限40%に迫る、大幅なダウン提示を受ける可能性が高い。「ダメだったら下がる」と、この世界のしきたりをよく理解している。

 扇の要を離れた。登録を内野手に変更し、覚悟を定めて一塁に挑戦した。挑戦は志半ばで終わった。最後の最後まで打撃が戻らなかった。下半身の不安がつきまとい、ファーム暮らしも経験した。規定打席に届かない111試合の出場で、打率2割4分2厘、15本塁打、47打点にとどまった。自身ワーストに近い成績で、優勝を逃す大きな原因となってしまった。主張する材料はないことは分かっている。

 そもそも、主張する気がない。「働きに対する客観的な評価が年俸。評価に対して、自分から意見することは絶対にしない」とのこだわりを持っている。現に入団から保留したことは1回もなく、提示額をそのまま受け止めてきた。一発サインを貫いて、球界最高となる年俸6億円まで上り詰めた。サラリーに見合う働きができなければダウンして当たり前。シンプル極まりないプロの理屈から、潔くサインする。

 下がった分は取り戻せばいい。高橋新監督との話し合いで、来季はマスクをかぶる機会も出てくる。新任の村田善バッテリーコーチとも話し合い「キャンプでは1クールに1回ブルペンに入って、キャッチャーの練習をする」と決めた。25日も自主トレを行ってからスーツに着替え、交渉に臨む予定。慎之助らしく前だけ向いて、勝負の17年目を迎える。