阪神の宜野座キャンプで11日、初の紅白戦が行われ、マット・ヘイグ内野手(30=ブルージェイズ)がいきなりマルチ安打を記録した。5番三塁で先発し2点適時打を含む3打数2安打。ここまで内角球の適応を不安視する声も聞かれたが、実戦向きの打撃に他球団007も一転して警戒を高めた。来日した愛妻エリカさんの前で、昨季3AでMVPの本領を発揮した。
初実戦にスイッチが入った。3回1死二、三塁。秋山が投じた低めやや外寄りの132キロのカットボールに、ヘイグは素直にバットを出した。打球はきれいなライナーで右前で弾んだ。さらに6回の打席では、歳内の135キロ真っすぐを左前へ。広角に打ち分けたマルチ安打デビューだ。
「いい兆候だと思う。左右に強く打てるのはいいこと。まだまだこれからなので、調子を上げていきたい」
4日までの第1クールでは他球団スコアラーから内角球の適応に難ありと指摘された。しかし第2クールに入り、打席での立ち位置を半足ほどホームベースから離れた。昨季は3Aで打率3割3分8厘、11本塁打、92打点の結果を残した実力者ながら、コーチに助言を求め、日本語も積極的に学習する。姿勢から適応しようとする意欲が感じられる。
「ラブパワー」も注入した。前日10日の休日、昨年11月に結婚したエリカ夫人と沖縄の海岸デート。目の前に広がる青い海と、隣でほほ笑む美人妻に癒やされた。「リラックスできるし、しっかりとサポートしてくれる」。最愛のパートナーの存在も、異国での充実したキャンプにつながっている。
デビュー戦で、懐疑的な視線を警戒の視線に変えさせた。巨人樽見スコアラーは「コンパクトに打ち返した。実戦向きの選手」とデータを修正。広島玉山スコアラーも「練習と違ってタイミングの取り方が良かった。実戦向き。(二、三塁の場面で)ぶんぶん振り回すのではなく、ああいう打撃をされる方がいや」と認めた。表情が厳しくなる007とは対照的に、本人は「この感覚を続けていきたい」といつも以上の笑みがはじけた。
片岡打撃コーチは「実戦で結果を出せたことで本人も安心しただろう。ホームラン打者ではないが、チャンスでの打撃を彼に求めている。内容があったんじゃないですか」と、昨季リーグワーストの得点数に終わった貧打解消の切り札に期待する。実戦が増える今後、ヘイグの本当の力が見えてくる。【前原淳】



