誠也だけじゃないで! 広島2年目の野間峻祥外野手(23)が12日の紅白戦で2戦連続となる先頭安打を放った。野村の初球カーブを右前に運んだ。オフから取り組む打撃フォーム改造の成果が少しずつ実を結んでいる。鈴木らと争う右翼レギュラーの座。自慢のスピードを武器に勝ち抜いてみせる。

 プレーボールの歓声が鳴りやまないうち。その初球だった。野間は野村の初球、内角のスライダーに手を出した。速いスイングがボールをつかまえる。やや詰まったが、打球を右前に落とした。1回先頭打者の初球。紅組の先制劇につなげるには、これ以上ない安打だった。1番の適性を存分に発揮した。

 「ポイントがよかったので、ヒットコースにいってくれたと思います。結果がついてきているので、ぶれずにやっていけます」

 2戦連続で紅組の「1番右翼」を任され、いずれも初回の打席で安打を放った。「1発目は特に大事」と心構えする打席。野間が出れば、2番菊池とのコンビは相手の脅威となる。球界屈指の俊足コンビで併殺はないと言える。長打が出れば、野間の足なら一気に本塁も狙える。この日は無死満塁から遊ゴロの間に生還。先制のホームを踏んだ。

 確かな手応えがある。昨年のオープン戦で12球団1号本塁打を放ち、注目を浴びた。だが今ではその打席を振り返り「打ち方は全然ダメ。真っすぐ一本絞りでやっとボールの下をこすれた」と言う。公式戦1号も同様だ。オフは徹底的に弱点と向き合った。内角直球に対応するため、体が入りすぎる癖を修正。足の上げ方も変え、スイングの軌道も見直した。

 前日11日には恩師と再会。中部学院大の原克隆監督と食事をともにした。すしを食べながら、後輩たちの成長ぶりや野球部の様子を聞いた。プロ入りの契約金で大学には400万円のブルペン屋根などを寄贈している。「お前も頑張れよ」と声を掛けられ、気合が入らないはずがなかった。

 「プロで生きるなら1番。そこを打ちたいと思います。足を生かせるように、出塁率にもこだわりたい」

 スピードスターは開花のときを迎えている。【池本泰尚】