開幕スタメンに向け、猛アピールの3月に突入する。巨人岡本和真内野手(19)が、プロ入り初の1試合4安打を放ち、完全に目覚めた。4回、16打席目で今オープン戦初安打となる左前打で呪縛を解き、一気に4打席連続安打をマーク。「3月はやり返したいです」と胸に刻んだ言葉を結果で体現した。村田をライバルに、右の長距離砲がしのぎを削る三塁争奪戦。2年目の大砲候補がバットで存在感を示した。
16打席目で初のHランプが、巨人岡本のヒットショー開演の合図だった。4回、オープン戦初安打となる左前打で呪縛から解き放たれ、一気に4打席連続安打をマーク。心に引っ掛かった何かが吹っ飛び、豪打がよみがえった。「何試合もスタメンで使ってもらっていたのに、無安打だった。何とか打ちたいと思っていたので良かった」と素直な胸の内を語った。
自らに重圧をかけ、結果で乗り越えた。札幌への移動日だった2月29日、オープン戦無安打の現状に触れ、危機感を語った。「プロは結果の世界。アピールする立場の僕は、このままダメなら2軍です」とNGワードで心を鼓舞した。それでも、自らの言葉で目覚めたのか、前向きな青年は「月が替わる。3月はやり返します」と切り替え、決戦の地に乗り込んだ。
信念は曲げなかった。「いいボールが来たら、初球からいく」のが岡本流。無安打の呪縛がのし掛かった1打席目も、初球からスイング。ファウルだったが、積極的な姿勢を貫いた。この日放った4安打は、4球目まででの決着。脱出の糸口は好球必打だった。
頑固なまでの信念は、右打者への執着心と相通じた。今では豪快な振りが魅力の右のスラッガーだが、智弁学園時代、左打席での遊びの素振りが物議を醸した。目撃した関係者が「左の方がプロで通用する」と大絶賛。それでも、岡本は左打者への挑戦をみじんも考えなかった。
岡本 僕はしっかり振った上で、ヒットを打ちたいんです。左の内野安打も魅力ですが、それよりも、僕は打席の中でしっかり振り切って、勝負したいです。
己の信念に基づき、貫いた右打者としての美学。この日放った“プロ入り初”の4安打が、まさにそうだった。【久保賢吾】
▼高卒2年目、19歳8カ月の岡本が今年のオープン戦で全球団を通じ初の1試合4安打以上。巨人に限らず10代選手のオープン戦1試合4安打以上は、08年坂本(当時19=巨人2年目)が3月11日阪神戦で4安打を放って以来8年ぶりになる。同年の坂本は57年坂崎一彦(2年目)59年王貞治(新人)94年松井秀喜(2年目)に次いで球団史上4人目の10代開幕戦先発出場だったが、岡本はどうか。



