プロでの甲子園デビュー戦で、聖地の申し子ぶりをみせつけた。阪神ドラフト1位高山俊外野手(22=明大)が5日ロッテ戦に7番左翼で先発し、得点を呼ぶ中前打を放つなど3打数1安打だった。タテジマを着て初めてプレーする甲子園だが、実は日大三の3年春から12戦連続安打。お披露目ゲームでも、マンモスをまるで庭のように駆け回った。

 甲子園に「7番レフト高山」のコールが響く。待ちに待った瞬間に虎党が大きく沸いた。かつて聖地を愛し、愛された男が、プロ野球の、それもタテジマ戦士となって、この舞台へと舞い戻ってきた。

 「自分のペースで出来た。自分がどこかに舞い上がっていなくなっちゃうということはなかった。変に意識をせずに、いつも通りということを意識しました」

 浜風の香り、土の匂い。新人らしからぬ「甲子園経験値」を持つからこそ、落ち着いて左翼を守り、打席に立った。2点ビハインドの5回先頭。ロッテ先発の大嶺祐の外角ツーシームを狙い打った。2回の第1打席には3球三振していたが、掛布2軍監督も舌を巻いた修正能力の高さを発揮。いとも簡単に中前へとはじき返した。キャンプからの実戦打率も3割をキープ。守備でも5回、鈴木が放った左翼ポール際の邪飛にもフェンスにひるまず捕球。本拠地でも攻守で存在感を示し、開幕スタメンへの階段を着実に上がった。

 東京6大学の聖地、神宮球場で最多安打記録を更新した高山だが、甲子園でも安打を量産してきた。昨年8月、大学日本代表として参加した高校日本代表の壮行試合では、東海大相模・小笠原(中日ドラフト1位)から中前打。この日のタテジマ安打で、日大三の3年春から甲子園では12試合連続安打とした。まさにタイガースが求めていた甲子園の申し子。期待を裏切らず、結果を残し続けるルーキーに、金本監督も「ハハハッ。いつか打つんだから」と、もはや打って当然と言わんばかりの表情を浮かべる。

 「観客の声も聞こえました。甲子園の雰囲気はすごいと思っていたので、雰囲気にのまれることなく出来て良かったです」

 今日6日は甲子園で巨人との今季初対決。昨季は9勝16敗と大きく負け越した宿敵だ。両軍とも新監督を迎え、「伝統の一戦」は新たなページをめくる。その1行目に、聖地の申し子高山の名を刻み込む。【梶本長之】