巨人立岡宗一郎外野手(25)が、チームに18イニングぶりの得点を生み出した。

 2回2死一、三塁で、中前に適時打を決めた。

 投げては先発の今村信貴投手(22)が5回2/3を4安打無失点。14年6月9日ロッテ戦以来、約2年ぶりの白星を手にした。

 17イニング続いたゼロ行進を、立岡が止めた。2回2死一、三塁。DeNA山口が投じた初球の内寄り直球149キロに、負けずに振り切った。打球はポトリと中前に落ちた。「今村がいい投球をしていたので先制点を取りたいと打席に入った」とほおを緩めた。

 熊本出身。地震が続く故郷を思う気持ちは、日ごとに強さを増している。だが、地震発生当初に感じた「野球をやっていてもいいのだろうか」という葛藤に対し、自分なりに1つの答えを見つけていた。「こうやって野球ができる幸せを感じて、熊本、九州に元気な姿を見せられたらと思います」。プロ野球選手として、勝利を目指して全力でプレーすることの大切さを再認識して、グラウンドに立っている。

 1球も無駄にはしない。先制打は初球から仕掛けた。「チャンスなので積極的に。待っていても何も起こらない。ストライクゾーンに来たので安打になってくれたと思います」。失敗を恐れず、攻めの姿勢で初球を仕留められたことに、手応えをつかんだ。

 高橋由伸監督(41)は「なかなかホームが遠かったので、先に点を取ることができて少し雰囲気も変わったと思う」と殊勲打を褒めた。だが立岡は「良かったり悪かったり、日によって変わる」と、あえて課題も口にした。