若虎よ、護摩行で心を鍛えろ! 阪神金本知憲監督(48)と親交が深い鹿児島・最福寺の池口恵観(えかん)法主(80)が21日、京都市内で講演会を開催。金本阪神が来季優勝するためには精神修行が必要とし、藤浪、高山らの若虎に「護摩行のススメ」を説いた。

 金本監督の命のもと、若虎たちは今オフ、厳しい筋力トレーニングに励んでいる。だが、首位広島から24・5差をつけられた4位からの優勝は、簡単ではない。肉体だけではなく精神的にも強くなれ。指揮官と親交が深い鹿児島・最福寺の池口法主は、熱い口調で精神修行のススメを説いた。

 池口法主 精神面を鍛える修行をさせた方がいいと思う。誰か選手に(護摩)行をさせたらいい。あれが一番いい。肉体的な使い方はいいと思いますけど、やっぱり精神面がちょっと劣る。

 推奨する護摩行は燃え上がる数千度の炎の前でお題目を唱え、煩悩を焼き尽くす荒行だ。金本監督も現役時代にこの行で精神面を鍛え、シーズンの大活躍につなげてきた。「特に甲子園球場の独特の雰囲気はのまれる。それに打ち勝って力を出すためには、やっぱりメンタル面をきちっとやらないと負けてしまいますよね」。阪神という注目度の高いチームだからこそ、精神修行の重要性を説いた。

 池口法主 (優勝した)広島は4人で、(新井が)若い子も連れてくる。金本監督も藤浪くんや高山くんとか鍛えさせたらいいと思います。

 04年に現役時代の金本監督に同行して以来、今も護摩行を続ける広島新井は今季リーグMVPの大活躍。若手選手を積極的に引き連れて精神修行に励んでいる。池口法主は今季7勝に終わった藤浪や、2年目のジンクスに挑む高山ら若虎に精神修行を勧める。全ては金本監督率いる阪神に、12年ぶりの美酒を味わって欲しいからだ。

 池口法主 (うちで鍛えないと)また広島が(頂点に)いきますよ。やれば優勝できるから連れて来いと(金本監督にも)言っています。阪神が強くないとおもしろくない。強くなってもらいたいからね。

 阪神から誰も来なかったら、来季もカープが優勝? 金本阪神に期待するがゆえに、池口節は熱かった。【梶本長之】

 ◆護摩行(ごまぎょう) インド伝来で、密教最高の修行法。護摩木をたき、燃え上がる炎の前で不動真言を唱え、煩悩を焼き尽くす。金本監督らが行を行った最福寺は、鹿児島市内にあり、池口恵観氏が法主を務める。

<護摩行を行った主なプロ野球選手>

 ◆清原和博 巨人時代の99年12月に5日間宿泊修行。終了後「高校1年生の気持ちを取り戻した」とすがすがしく語った。修行は1度だけだったがその後も何度か寺を訪れ、池口法主と電話で話すこともあった。

 ◆金本知憲 現役時代に10度以上行った、年中行事。鬼気迫る表情で炎と向き合い続け、最後は池口法主に「十数年やって、行で得るものはない。もう来なくてよい」と言わしめた。12年に引退を決める前には、法主に相談もしたという。

 ◆新井貴浩 今年1月まで12年連続で行っている。04年12月に初めて挑戦し、05年に本塁打王を獲得。今年1月にも訪れ「何年やってもしんどいし、つらいし、苦しい。でも気持ちが引き締まる」と決意を新たに。MVP受賞につなげた。