3連発で貯金20!! 広島ブラッド・エルドレッド内野手(36)が先制、中押し、ダメ押しと来日初の3打席連続弾で8-1と中日に連勝した。来日6年目で円熟味を増す大砲のキングに並ぶ3発で、貯金は今季最多の20。優勝した昨季よりも13試合早い大台到達で、早くも独走状態に入った。

 お立ち台では通訳に仕事をさせなかった。壇上のエルドレッドは、インタビュアーの質問に通訳を介さず、すべて日本語で答えた。来日6年目。日本の言葉、文化を受け入れ、そして何より日本野球を受け入れた。2回は内寄りの直球を先制弾、3回はチェンジアップをたたいて中押し2ラン。5回は低めの球をすくい上げてダメ押しソロ。すべて左翼席を越える特大アーチで、主役を張った。「1打席1打席しっかり集中して結果を残すことができた。打てる球を見極めてアプローチできたことがいい結果につながった」と充実感に浸った。

 31歳で来日し、今月12日には37歳を迎える。米国で粗削りだった大砲は、日本で変貌を遂げた。「若ければ何かしてやろうと無理にやってしまうことがありますが、私は年齢を重ねてきた。そういった意味で成熟し、自分をコントロールしてアプローチできている」。今季は先発での無安打試合は最長3試合と安定。来日初の3打席連発で、本塁打数も21本とし、リーグトップの中日ゲレーロに並んだ。

 異国での成功の裏には、父ジムさんの言葉がある。「いつも同じ気持ちでやることが大事。イライラして、行動が乱れてはいけない」。少年時代、三振しても怒られなかったが全力疾走を怠ったときには叱られた。この日もエルドレッドのユニホームは泥だらけだった。