粘って歴史的勝利じゃ~! 広島野村祐輔投手(28)が6回7安打1失点で9勝目を挙げた。走者を背負いながらも粘りの投球でチームの逆転勝利を呼び込んだ。この勝利でチームは昨季から東京ドーム8連勝をマーク。巨人戦のビジター球団としての最長記録を更新した。優勝へのマジックも18に減らし、ビジター6連戦を好スタートだ。

 同じコメントを野村は5度も繰り返した。「チームが勝ってよかった」。自身が手にした9勝目よりも、マジックを18に減らした逆転勝利を喜んだ。さらに野村は「野手に助けてもらった。リリーフ陣にも助けてもらいました」という言葉も3度口にした。週の頭を任されるエース格。その自覚をにじませた。白星は“おまけ”にすぎなかった。

 まさに粘りの投球だった。3者凡退は1回だけ。2回に村田にカーブを左翼スタンドに運ばれて先制を許すと、以降はピンチの連続。2回から6回まで毎回得点圏に走者を背負った。それでも「調子うんぬんの前に投球が良くなかった。なんとか失点だけはしないようにと思った」。4四球を与え、7安打を浴びても、生還だけは許さなかった。

 5回に西川の2ランで逆転してもらうと、テンポやリズムを度外視して慎重に腕を振った。ピンチではボールから入り、シュートで右打者の体を起こした。そして味方の守備。6回の2死一、二塁のピンチでは、マギーの二遊間へのゴロを二塁手菊池が処理。あらかじめ打球方向を予測してヒットゾーンを消してくれていた。

 中継ぎ陣も大切にバトンをつなぎ、チームは歴史を塗り替えた。逆転勝ちで東京ドームは今季7戦7勝。昨季から8連勝を飾った。これは東京ドームでの巨人戦のビジター球団としては最長記録を更新したことになる。12年から13年にかけて、引き分けを挟んで14連敗を喫したこともあるドームで、痛快な連勝記録の更新となった。

 緒方監督は「ピンチの連続だったけど、粘りの投球をしてくれた。本塁打の1点に抑えて6回。しっかり試合をつくってくれた」と評価。ゲームメーク能力の高さを見せ、気がつけば2年連続の2桁勝利にも王手。ビジター6連戦で、広島が好スタートを切った。【池本泰尚】