阪神ドラフト6位の啓新・牧丈一郎投手(18)が10月31日、福井市内の同校で指名あいさつを受け、世界のNOMOに恩返しを誓った。中学3年時に野茂英雄氏(49)が総監督を務めるジュニアオールジャパンのメンバーに選ばれ米国遠征を経験。「真っすぐを伸ばせていける投手になりなさい」。その際、野茂氏から授かった金言を胸に、高校3年間を過ごした。ストレートの最速は152キロを計測するまでに成長。晴れてドラフト指名を受けた。「活躍を見せることが、恩返しになっていくと思います」と、力を込めた。

 名前の丈一郎は、ボクシングの元WBC世界バンタム級王者の辰吉丈一郎(47)に由来する。大ファンの両親が「丈夫で一番に」という願いを込めて名付けた。福井のジョーから猛虎のジョーへ。自慢の“右ストレート”で打者を圧倒すれば、ファンにもすぐ名前を覚えてもらえそうだ。

 昨冬の鍛錬が実り、球速は10キロアップ。伸びしろはまだまだたっぷりある。京都出身。高校進学時は明徳義塾(高知)と迷ったが、当時無名の啓新を選んだ。熱いハートの持ち主が、金本阪神にやってくる。

 「1軍のローテーションを狙えるような投手になることが目標です」。辰吉魂を持つ男が、野茂氏に負けないストレートを甲子園で投げ込む。【山川智之】

 ◆牧丈一郎(まき・じょういちろう)1999年(平11)9月23日生まれ、京都市左京区出身。松ケ崎小3年時に、松ケ崎シャークスで野球を始める。下鴨中では京都嵐山ボーイズに所属し、中学3年で全国大会出場。NOMOジャパンにも選ばれた。啓新では1年秋からベンチ入り。今夏の福井大会は3回戦で福井商に敗れ、甲子園出場はなし。181センチ、81キロ。右投げ左打ち。