ヤクルトが、16年3月25日から8連敗中だった巨人菅野を3年ぶりに沈めた。2点を先制した初回に37球を投げさせるなど、全員で分厚い攻撃を仕掛けた。昨季は5戦5敗2得点と完璧に抑えられた天敵への完全リベンジに成功。青木宣親外野手(36)が先制適時打を含む今季初の3安打、山田哲人内野手(25)が5回の1号ソロを含む2安打2打点と主軸の活躍もあり、巨人に完勝した。
男たちがほえた。勝利が決まると、ヤクルトナインは手をたたきながら一塁側ベンチを飛び出し、笑顔で跳ねた。2年間白星を供給し続けた天敵を攻略し、巨人との今季初戦に完勝。小川監督は「完璧だった」と選手の奮闘をたたえた。
打倒菅野へ、試合前から闘志がたぎっていた。ミーティングでは「追い込まれるまでは思い切って積極的に、追い込まれれば粘る」を徹底。加えて、石井琢打撃コーチが熱い思いを注ぎ込んだ。「菅野に束になって戦う。1対1じゃない。1対9、1対ベンチ全体、でいくぞ」。苦手意識で縮こまってもおかしくない状況でチームの意思を統一してから、難攻不落の右腕に立ち向かった。
だからこそ、開始直後から総攻撃で襲いかかれた。1回1死一塁、バレンティンが10球粘った末に四球でつないだ。そして4番青木。「積極的に打ちにいこうと打席に入りました。いいところで打てた」と1ストライクからの2球目直球を振り抜き、右翼線への先制適時二塁打を決めた。直後に相手失策で加点。昨季5戦5敗、39回でようやく奪えた総得点の2点を、初回でスコアボードに刻んだ。
青木がつくった勢いで、試合前まで打率1割の山田哲が目を覚ました。2回2死二塁で中堅直撃の適時三塁打。5回1死では、菅野のスライダーを低弾道で左翼席へ運んだ。「菅野さんにはずっとやられていた。絶好調でも抑えられる時もあるのに2本も打てたのは良かった」と笑った。
攻撃の手は最後まで緩めなかった。6回無死二塁で畠山が二ゴロで進塁打を決めれば、7回には投手ブキャナンが激走で三塁打。青木もオリジナル登場曲を作成したGLAYのTAKUROが観戦する前で3安打をマークした。小川監督は「すごく気持ちの入った試合が続いている。みんなで戦う意識が出ている」とうなずいた。菅野討ちだけでは、まだ満足できない。昨季96敗の屈辱を晴らすヤクルトの逆襲は、始まったばかりだ。【浜本卓也】



