東海大北海道が、北大を16-2の7回コールドで下し、星槎道都大が敗れたため、2季ぶり5度目のリーグ優勝を果たした。先発した左腕・中村海誠(4年=東海大三)が6回2失点で7勝目。打っては4番大河内航主将(4年=東海大四)が3点本塁打を含む2安打6打点と、最上級生がけん引した。昨秋の2位から覇権奪還。昨年4強に進出した全日本大学選手権(6月11日開幕、神宮ほか)に、11年の現リーグ加盟前も含め4年連続8度目の出場を決めた。

 バックネット裏で、2季ぶりの優勝をかみしめた。東海大北海道はこの日の第2試合で勝ち、第3試合を約15人の居残りメンバーで観戦。1勝差だった星槎道都大が敗れ、最終戦を待たずにリーグVが確定した。東海大北海道の大河内主将は安堵(あんど)の表情で「本当に良かった。4年生がみんな頑張ってくれた」と仲間をねぎらった。

 試合は初回から打線に火が付いた。井内駿捕手(3年=苫小牧東)の満塁本塁打を含む3本の長短打で、一挙に6得点。6回には大河内が右中間に3点本塁打を放ち、勝利をたぐり寄せた。「それまで周りに助けられていたので(打てて)ほっとしてます」と胸をなで下ろした。

 マウンドでも4年生がけん引した。先発の中村海が6回2失点。今季開幕戦は2番手で公式戦初勝利を挙げ、リリーフ中心にチーム9戦中8試合に登板。計33イニングを投げ、この日が7勝目と白星をもたらした。「(先発2試合目に)緊張したけど、自分の投球が出来ればと思っていた。リリーフでの経験が自信になった」。昨季までは登板機会に恵まれなかったが、最終シーズンで軸になった。

 昨秋、星槎道都大の前に4季連続の王座を逃し、そのライバルが明治神宮大会準優勝と注目を浴びた。大河内主将が「秋に悔しい思いをした」と雪辱を期した今季。不祥事で今春のリーグ開幕直前まで1カ月以上の対外試合禁止処分で、ぶっつけ本番だった。その中での優勝に、高橋葉一監督(52)は「4年生の結束力」とたたえた。

 4年連続出場となる全日本大学選手権は、12日の初戦で広島大(広島6大学)と東北福祉大(仙台6大学)の勝者と対戦する。ベスト4に進出した昨年の先発メンバー6人が残る。大河内主将が「今度は日本一をとる」と言えば、中村海は「優勝しないと意味がない」と頂点を見据えていた。【山崎純一】