5年目の外れ外れ外れ1位が、ついに日の目を見た。日本ハム渡辺がプロ初の1試合2本塁打で、チームの連敗を止めた。2回に2年ぶりの1号ソロを放つと、3回は決勝2号2ラン。東海大甲府時代は高校通算39本塁打のスラッガーも過去4年で1本だけ。緊張で汗だくとなった初のお立ち台で「自分自身が一番びっくり」と笑顔。栗山監督も「ナベ(渡辺)で勝った試合」と、絶賛した。

 プロ入り後は相次ぐ故障などで伸び悩んだ。若手を積極起用する日本ハムでも、後輩に先を越されていた。昨オフに自主トレを共にした近藤からは、18日までの大阪遠征中に食事に誘われて「若いんだから、変に考えずにフルスイングしろ」と助言された。最高の2発で先輩に恩返しした渡辺は「これからも思い切って強い打球を打っていきたい」。遅れてきた13年ドラフト1位が、覚醒の予感だ。