90年代の中日を支えたバッテリーが強竜再建へ再びタッグを組む。1軍バッテリーコーチとして中村武志氏(51)を招聘(しょうへい)することが確実になった。

与田新監督は、現役時代の恩師である故星野仙一氏の闘将イズム継承を口にしている。白羽の矢を立てたのが、師を同じくする中村氏だ。84年のドラフト1位で中日に入団。当時の星野監督に見いだされ、88年から正捕手に昇格、同年と99年、2度のリーグ優勝に貢献した。与田監督の女房役でもあり、気心は知れている。今季は韓国KIAでコーチを務めた。中日のコーチとしては、12年以来の復帰となる。

森監督の退任後、新体制発足に向け、コーチ陣の選定に取り組んでいる。与田監督は15日の就任会見で「できるだけ早く決めたい。構想はあるが、決まるまでは分からない」と話した。新指揮官の初仕事は25日のドラフト会議になる見通しで、それまで組閣作業を急ピッチで進めている。小笠原道大2軍監督が1軍に昇格し、要職に就くことで調整中。中村氏とは、近日中に名古屋市内で正式契約を交わす予定だ。6年連続Bクラスからの脱却は容易ではない。闘将イズムをキーワードに、再建を図る。【伊東大介】

◆中村武志(なかむら・たけし)1967年(昭42)3月17日、京都府生まれ。花園高から84年ドラフト1位で中日入団。88年から正捕手に。88、99年のリーグ優勝に貢献。横浜、楽天に移籍し、05年に現役を引退。その後は横浜や中日、韓国KIAなどのコーチを歴任。通算成績は1955試合に出場し、1380安打、137本塁打、604打点、打率2割4分2厘。179センチ、90キロ。右投げ右打ち。