矢野阪神は今秋ドラフトで「センターライン強化」にこだわった。矢野燿大新監督(49)にとって初体験の大舞台。抽選を2度外して、三度目の正直は大阪ガス・近本光司外野手(23=関学大)を単独指名した。

新指揮官自らほれ込んだ逸材だ。まだ2軍監督だった9月15日、鳴尾浜での練習試合で対戦。シュアな打撃で右前へ、中前へと2安打を放った姿が目に焼きつく。矢野監督は「打撃と足は今年、僕は2軍でも対戦しましたし、プロに入って素晴らしいパフォーマンスを出せる選手だと見ていた。本当にうちのセンターラインに必要な選手」と高評価。7月の都市対抗で優勝。MVPの橋戸賞を獲得して、熱視線を送ってきた。

真っ先に指名したのは、本命視された大阪桐蔭・根尾ではなく同僚藤原だ。3球団競合の抽選で外すと、外れ1位も立命大・辰己涼介外野手(4年=社)に挑戦。今度は4球団殺到で、くじを引く手も右から左に替えたが報われない…。外野手3連発の1位指名に強いチーム方針が表れた。

指揮官は「辰己君は(当たりくじがなく)とれるチャンスがなかったけど、藤原君は俺が引くチャンスがあった。申し訳ない」と振り返り「来年は順位を上げて優勝して『残り福』にできるように」と続けた。チーム再建への思いを強くした。【酒井俊作】