西武秋山翔吾外野手(30)が3日、来オフの米メジャー移籍を視野に入れた。メットライフドームで、1490万円アップの年俸2億3490万円で契約更改。来季で変動制の3年契約最終年を迎えるため、球団からは新たに複数年契約を結び直すことを提案されたが、3年契約を全うすることを選んだ。順調にいけば、来季中に海外FA権を取得することをにらんでのものだ。(金額は推定)

秋山は新たな複数年契約を選ばなかった。「まずは3年間全うして、それから考えるということ。来年、しっかりやりたい。球団からは大きい契約の話もされましたが、成績が金額に見合わなくなると、つらくなる」と説明。今季195安打で3度目の最多安打に輝いたが、慢心しなかった。

順調なら、来季中に海外FA権を取得する。メジャーでプレーしたいか問われると「沈黙が正解だと思います。1年間、自分にとって挑戦のシーズンになる。その準備をします」と明示的には答えなかった。ただ、来オフのメジャー移籍も視野に入れている。そのことも、3年契約の全うにつながった。

「メジャー=夢舞台」とは違う。あくまで選択肢の1つだが、今秋の日米野球は楽しんだ。大リーガー相手に右足の上げ幅を小さくするなど試行錯誤。打率3割5分と結果を出し「力が強い球を打つのが課題。これからに生きてくるかな」と、メジャーに気持ちが向くきっかけになった。

選択肢を増やすためにも、来季を全力で戦うつもりだ。来季の目標を問われ、色紙に「挑戦」としたためた。炭谷、浅村が抜け、菊池もメジャー移籍を目指している。「同じメンバーなら『連覇』『日本一』と書けたと思うけど、中心選手が抜ける。違うチームになる。チームが挑戦者の気持ちで」と強調した。現役最多の596試合連続フルイニング出場中の鉄人は「試合に出続ける準備をする。それは来季も変わりません」とストイックに、信じる道を行く。【古川真弥】