横綱の魂から、4番の品格を学んだ。巨人岡本和真内野手(22)が18日、神奈川・横浜市内の慶大グラウンドで自主トレを公開。山本、岸田、和田とともに約5時間のメニューを消化した。フリー打撃では約4メートルの逆風が吹く中「今はフォームより飛距離が大事」と体をのけぞらせるほど豪快な振りで、左中間へ推定125メートル弾も披露。万全をアピールした。

16日に横綱稀勢の里が引退した。小学時代はテレビで相撲観戦に熱中していた岡本は「ニュースで見ました。引退するんだなぁと思った。横綱になる前は金星をたくさん挙げているイメージで、この人すごいなと。ここ一番で強かった気がします」。10年九州場所で白鵬の63連勝を止めるなど、3個の金星を記録した勝負強さに感銘を受けた。

第72代横綱と巨人の第89代4番。結果を出し続けなければ、その座にとどまることを許されない重圧と闘う共通点がある。稀勢の里は責務を務めようと、故障を抱えながらも最後まで土俵に立ち続けた。岡本も原監督から「4番に関しては競わせることはしない」と伝えられたが「多少のケガをしながらでもやらないと、レギュラーでは、いられない。取られないように1年間戦いたい」。昨季、チームでただ1人143試合出場を果たし、3割30本100打点を達成しても胸を貸す余裕はない。

若手主体で実施される2月3日のチーム初実戦にも「まだまだ僕は実績のない若手。絶対出ますよ。けっこう楽しみにしています」と意欲を示した。「個人として30本、100打点以上打てれば勝利の確率は高くなる。優勝と日本一に貢献できるように頑張りたい」。敵を払いのけるために、4番としてグラウンドに立ち続ける。【桑原幹久】

○…岡本が人的補償で広島へ移籍した長野へ感謝の気持ちを示すとともに、目標とした。1年目オフの16年にグアム自主トレをともにし「いろんな時に声をかけてくださって、よくしていただいた。長野さんみたいな選手になれるように取り組みたい」。周囲への気遣いにもたけたチームの支柱的存在に成長していくことを誓った。