ソフトバンクのデニス・サファテ投手(37)が完全復活へ前進した。23日に今キャンプで初めて打撃投手を務め、32球で安打性は3本。最速は144キロだった。打者を相手に投げるのは、昨年4月15日ロッテ戦以来。右股関節の手術からリハビリをへて、ここまでたどりついた。

「10カ月ぶりにバッターに投げられた。それが一番の収穫。気持ちよかったし、次のステップに進むことができる」と笑顔を見せた。

サファテは防球ネットを置かずに実戦に近い形で投げた。「ネットを気にして腕を振れないよりは、強い打球が体に当たった方がいい」と冗談まじりに気持ちの高ぶりを明かした。相手打者はB組で、実力者の長谷川勇也もいたが、主に若手だった。「若い選手もぼくを打って自信にしようと思っていただろう。簡単には打たせられないと、気持ちが入ったよ」。ルーキー野村大樹内野手に対しては、低め直球でバットをへし折り貫禄を見せた。

投球の中盤からは「フォークを投げると自分のフォーム、タイミングをチェックできる」と変化球も交えた。予定の30球を投げた後には、2球おかわり。「最後に納得のいく球を投げたかった」。打者に感謝の意を示し、満足した表情で練習を終えた。

ネット裏で見守った工藤監督は「投げたという事実が大事。これから徐々に上げていってもらえれば」とうなずいた。サファテは宮崎でもう1度打撃投手を務め、実戦に入っていく予定だ。残り「16」に迫る通算250セーブへ向けて、しっかりと歩みを進めた。【山本大地】

◆名球会が近い選手

日米通算2000安打、200勝、250セーブの会員資格に最も近いのが234セーブのサファテ(ソフトバンク)で、藤川(阪神)が227セーブで続く。200勝の基準では岩隈(巨人)松坂(中日)が170勝、石川(ヤクルト)田中(ヤンキース)が163勝も、30勝以上が必要。打者では中島(巨人)が1759安打で、残り241本。1722安打の栗山(西武)1711安打の坂本勇(巨人)が続いている。