日本ハムは2018年で北海道移転15年。過去の名場面、珍場面を、当時の紙面とともに振り返ります。

<07年6月9日付>

期待のルーキーのプロ初勝利は「珍記録」だった。この年のドラフト1巡目・吉川(現巨人)がヤクルト戦で3度目の先発。6回途中まで無失点で乗り切ると、2点リードの8回、相手の攻撃開始前に雷雨でコールドゲームが宣告された。

あと2イニングの相手の攻撃を残し、転がり込んだプロ初白星。8回の登板に備えて投球練習を開始していた金森が持っていたボールがウイニングボールとなり、「両親にあげたい」とはにかんだ。

斎藤、田中(現ヤンキース)のほか、沢村、増渕、大嶺祐ら粒ぞろいの「ハンカチ世代」。当時は「追いつくには5年くらいかかるかも」と控えめに話していたが、現時点での勝利数はメジャー移籍した田中と前田(ドジャース)に次ぐ3位(49勝)。12年には14勝を挙げ、パ・リーグMVPに選出された。

そしてこの試合、ひっそりともうひとつの「珍記録」も生まれている。投手交代がコールされ、投球練習のためにマウンドに立っていた金森の投球数は「0」。これは「0球登板」という珍記録となり、当時パ・リーグ史上9人目の出来事だった。