日本ハム中田翔内野手が22日、誕生日を迎えて30歳となった。肉体的な変化も感じながら、30代に突入した野球人生のテーマに「いろんな意味での成長」を掲げ、気持ちを新たにした。現在、打撃では3試合連続安打中。23日からの首位楽天との3連戦(札幌ドーム)では、三十路(みそじ)のキャプテンが中心となって敵地で3タテを食らった前回対戦のリベンジを狙う。

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30歳になった中田はニヤリと笑って言った。「言葉は要らないよ」。報道陣に言葉ではなく、モノでの祝福を求めて爆笑を誘うと、30代に突入した率直な心境を明かした。「30歳になっても、うれしくとも何ともないよ(笑い)。でもね、30にもなってファンのみなさんにも祝ってもらうのは本当にありがたい」。21日ロッテ戦(ZOZOマリン)では初回に、左翼席から1日早いハッピーバースデーの大合唱。ファンの声援は、いつでも力の源だ。

人生の節目でもある三十路を迎え、新たな誓いを立てた。18歳でプロ入りし、今季で12年目。20代は主に4番打者としてキャリアを積み、リーグ優勝や日本一も経験。「衰えたな、と言われないように頑張っていきたい。体力は、落ちたよ。自分のスイングスピードは落ちているなと正直、感じる」。肉体的な変化には敏感だが、だからこそ「これから、いろんな意味で成長していければ」。持ち味の長打力だけではなく、技術のレベルアップや精神的成長など、昨季から任されているキャプテンとして、向上心を持ち続けてチームを引っ張る覚悟だ。

私生活では結婚して一家の大黒柱にもなった。「この年になって、うれしいのは子どもの成長だけ」と話すが、勝率5割で何とか踏ん張るチーム状況も、もちろん気にする。「チームとして、ここから巻き返していきたい。ファイターズは、こんな状態で終わっていちゃダメ」。23日楽天戦へ向けて、チーム休日のこの日は、しっかり英気を養った。30代も力強く、チームの主役を張っていく。【木下大輔】