日本ハム万波中正外野手(19)が、プロ初の逆転サヨナラ弾を放った。10日、イースタン・リーグ楽天戦(鎌ケ谷)に「7番右翼」でフル出場。

2点を追う延長10回2死一、二塁で打席がまわってきた。楽天福山に2球で追い込まれた。「テレビで見ていた投手。なんとか付いていきました」。カウント1-2からの5球目。内角への直球系141キロを、なりふり構わずフルスイング。「無我夢中で。全然、強気じゃなかった」。バックスクリーン右にぶち当てた。

土壇場でヒーローになった。推定飛距離130メートルの逆転サヨナラ3ラン。先輩に、愛称の「マンチュウ、ヤベー!」とたたえられ、劇的勝利を締めた。石川亮らにハグされる大歓迎に「後ろの先輩につなげたらと思った。他の何にも代え難いうれしさでした」と、はにかんだ。記憶にあるサヨナラ弾は、中学時代が最後。「公式戦は初めてじゃないかな? 」。前打席まで4打席無安打も、最後の一振りで、魅せた。

地道な取り組みが実り始めた。2月の春季キャンプから「中堅から右方向に強いのを打ちたい」と、打撃テーマを設定。球を「点」ではなく「線」でとらえ、ミートポイントを広げて確率を上げようとしている。1年目の今季、ここまでは出場32試合で91打数15安打4本塁打、打率1割6分5厘と成長途中。「今日に関しては、たまたまです」と喜びは控えめで、試合後も打撃練習に熱中していた。【田中彩友美】