右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折が回復した日本ハム清宮幸太郎内野手が、24日の西武10回戦(メットライフドーム)で今季初出場した。「7番指名打者」でスタメン出場。6回無死満塁で迎えた第3打席に飛距離十分の中犠飛を放ち、打点を挙げた。25日は20歳の誕生日。万全の体で飛躍の年とする。

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清宮の今シーズンが、幕を開けた。待望の第1打席は2回1死走者なし。空振り三振も、戻った一塁側ベンチでは、笑みを浮かべ汗をぬぐう姿があった。「やっぱり緊張感があるというか、すごく充実した1日だった」。開幕直前の3月5日、右手有鉤骨の骨片摘出術を受けて離脱。初選出された侍ジャパンを辞退し、2年連続で開幕2軍スタートとなった。「出遅れてしまいましたけど、少しでも巻き返せたら」。覚悟をにじませ、自らの開幕戦に臨んだ。

無類の明るさで、この日へ進んできた。与えられたリハビリメニューはもちろん、復帰を見据えて食事メニューも気を抜くことはなかった。体重管理のため、小麦粉を取らないグルテンフリーを継続。トレーナー陣は「弱音を吐く姿を見たことがない」と、ポジティブな姿に驚かされた。清宮は「もう2年目なので去年の経験だったり、このケガした期間だったりいろんなものを経験していると思う。存分に生かしたい」。アクシデントに襲われても、決して下を向かない。ただ前だけを向いた。

今季初安打はお預けの3打数無安打。中犠飛で今季初打点を挙げたが「前の方たちがつくってくれたチャンスで、自分は本当にただのアウトなので」と感謝した。同時に「もう少し、貢献出来たかな」と悔しさもにじませた。今日25日に20歳の誕生日を迎え、進化への期待は止まらない。「本当にこの舞台に来たら、調整うんぬん言っている場合じゃない。少しでもチームが勝てるようにやるしかない。そこだけ見てやりたい」。頼もしさが増した姿で、2年目のスタートを切った。【田中彩友美】