ソフトバンク得意の交流戦がド派手に幕開けた。「日本生命セ・パ交流戦」の開幕中日戦で、釜元豪外野手(25)がプロ初の初回先頭打者弾。1イニングソロ3発を呼ぶと、プロ初の1試合2発も放つ大活躍で連敗を3で止めた。12球団最多7度の最高勝率をマークする交流戦で、今年も強いタカを印象づけた。

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釜元の号砲で交流戦が始まった。初回無死で2ストライク。3球目の甘く入ったフォークを右翼スタンドに運んだ。「追い込まれてたので、なんとかしようと。フォークがうまく引っかかってくれた」。松田宣、中村晃がトイレに行って見逃したというほど、あっという間の先制3号ソロで打線に火を付けた。1死からはグラシアルが右翼テラス席へ10号ソロ。2死から松田宣も11号ソロで続いた。初回3発で幸先よくリードを奪い、主導権を握った。

釜元は5回にも右翼へ、これまたプロ初の1試合2発となる4号ソロ。そして7回先頭では意表を突くセフティバントで出塁し、デスパイネのダメ押し打を呼び込んだ。1番打者として最高の活躍でチームの連敗を3でストップ。「チームの勝利に貢献できたのが一番うれしい」。キリリと二枚目の顔を崩し笑った。

8年目の今季、故障者が相次ぐ中で1軍定着。プロ初安打、初本塁打もマークするなどブレークの年になった。昨オフに工藤監督から体重増を命じられ、78キロから増量。「82キロを切ったら2軍落ち」というルールも設けられ「最低のラインはキープしています。82・8キロくらい。プロテインをめちゃくちゃ飲んでます」。厳しいシーズンを戦いながら肉体とも格闘。「平均的な(打球の)飛距離は伸びてきた」とパワーアップし、結果につなげている。

ソフトバンクは交流戦で、最高勝率を12球団最多の7度達成。15年の工藤監督就任以降は4年で3度、頂点に立ち、48勝23敗1分けと好成績を残す。得意舞台で4年連続の白星発進だ。指揮官は「最高のスタートを切れた。日々新たに、とコーチや選手にも伝えている。今日はこれで終わり、また明日、力を合わせて」と気を緩めず、次の戦いを見据えた。【山本大地】