西武の横綱2人によるアベック弾が、山賊打線爆発の号砲だった。

3回に2点を先制後、打席は4番山川。カウント2-2から外角高めの直球を左中間席へ運んだ。26号ソロで、今季最長ブランクとなった10試合ぶりのどすこいポーズを披露。すると6番中村も続く。同じく左中間席へ運ぶ6年連続2桁本塁打となる10号ソロ。辻監督は「チームとしてうれしい。この広い球場でよく打った」とうなった。

2人が打てば今季負け知らず。4度目のアベック弾で3勝1分け。山川が「打てたのはよかったけど、手応えはない」と言えば、中村は「広さは気にならない。広いとも思わないし」と1発の感想こそ違うが、横綱2人が打線に火を付けたのは間違いない。5回に4安打4得点、7回には7安打8得点で中日の息の根を止めた。決して手を緩めない山賊たちが、今季最多タイの16得点も量産した。

西武の色が出た大勝で、辻監督に球団最速351試合での監督通算200勝目をプレゼント。指揮官は「通過点です! 200も勝たせてもらってありがたい」と感謝すると同時に「明日だね。大量得点のあとは貧打になりがち。気を引き締めていきます」。201勝目を見据え、6カード連続で落としている鬼門の2戦目に目を向けた。【栗田成芳】