オリックス山本由伸投手(20)の今季5勝目が目前で消え去った。

圧倒的な投球で7回98球を投げきり、4安打1失点(自責0)で降板。

2番手海田が8回を無失点に封じ、3点リードで迎えた9回だった。守護神ディクソンが1死一、二塁で金子侑に高めの直球をとらえられ、右翼スタンドに同点3ランを運ばれた。ベンチで勝利の瞬間を待ち望んでいたナインは惨劇にぼうぜんと立ちつくすしかなかった。相手に流れが傾き、延長11回に増井が中村にサヨナラ弾を浴び、勝ちゲームを逃した。

試合は終始オリックスペースで進んだ。初回1死一、三塁からモヤが移籍後初タイムリーとなる右前打で先制。1点の援護を受けた山本は150台中盤キロの直球を軸に、カットボールやフォークを駆使し、6回まで山賊打線を寄せ付けなかった。7回に1点を奪われたものの、2死満塁のピンチで秋山をこの日最速の155キロの外角シュートで遊ゴロに仕留め、最少失点に切り抜けた。山本は「今日は立ち上がりから久々にテンポよくいい力感でバランスよく投げることができた」と振り返った。

9回に金子侑に同点3ランを被弾したディクソンについて右腕は「ここまでずっと抑えてくれていた。こういう仕事はしょうがないです」と擁護。西村監督は守護神着任後11試合目にして初めて救援に失敗した助っ人右腕について「今までずっと結果を出してくれていたわけですから。あそこまでにもっと点をとってあげないといけない」と敗戦に悔しさをにじませた。