楽天と支配下選手契約を結んだ由規投手(29)が29日、本拠地の楽天生命パークで会見を行った。

右肩の故障に苦しみ、昨季限りでヤクルトを戦力外。生まれ育った仙台に本拠地を置く楽天で育成選手として再出発した。5月17日のイースタン・リーグ西武戦で新天地初登板を果たすと、ここまで主に救援として7試合12イニングを投げ、1勝1セーブ、無失点と好投していた。

2軍の遠征移動日とあって、スーツ姿で会見。「やっとスタートラインに立てた。ヤクルトを退団して、ケガをしている状態で(楽天に)取っていただいて、不安もあった中で、いろんな人の支えがあって、今、試合で投げられている。結果を残して恩返しすることが僕の使命。ここからが本当の勝負。チームが優勝争いをしている中で、何とか自分もそこに(戦力として)食い込みたい」と決意をにじませた。

石井GMからは来季の支配下復帰を目指して長いイニングを投げるプランも提示されたが、投げられる手応えゆえに「今年の7月31日までに何とか支配下に」という自らの初志を貫徹した。1軍登板のチャンスが生まれる一方、支配下選手として戦力になるかどうか、よりシビアな競争にさらされることを石井GMも明言している。「自分にプレッシャーをかける意味でもあるし、(育成でも支配下でも)1年1年が勝負。そこに一切甘えはない」と表情を引き締めた。

今後は2軍で登板間隔を維持しながらイニングを増やし、先発として調整していく方針。「求められているのは先発だと思う」とした上で、1軍の状況に応じてあらゆるポジションに意欲ものぞかせた。