広島小園海斗内野手(19)が、球団の高卒新人初となるクライマックスシリーズ(CS)出場に闘志を燃やした。先発見込みだったDeNA戦は、雨のため19日に順延。横浜スタジアムの室内練習場などで練習し、スライド先発する相手エース今永攻略を誓った。1・5ゲーム差をつけられた2位DeNAとは、CSファーストステージで対戦する可能性が高い。定位置取りを猛アピールする。

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DeNA戦が雨で順延となっても、小園の眼光は鋭いままだった。スライド先発が発表された今永はリーグトップの防御率2・39を誇り、6度の対戦で5勝を献上している。CSでも対戦必至で、打ち崩せばCSも先発で使われる可能性が高くなる。「しっかりアピールして、CSにスタメンで出られるようにがんばりたい」と力を込めた。

今永とは今季2試合で計4打席対戦し、4打数1安打。8月18日の初対決では1打席目のファーストストライクを中前にはじき返している。「左では、対戦した中で一番いいピッチャー。甘い球はほとんど来ない」と警戒。「真っすぐとカットにしっかり(いい間合いで)入っていけるようにしたい。4打席立っているので、ボールの軌道も攻め方もわかる。なんとか1本打ちたい」と意気込んだ。

必勝態勢で臨む19日のDeNA戦は、CSスタメンテストの意味合いもある。遊撃が本職の右打者三好も候補。迎打撃コーチは「ショートというポジションなんで守備(の重要性)もある。(打撃は)今永に対してどういう内容を見せられるか。相手からしたら、どっちがいやなのかも見てみたい」と話す。難敵攻略の駒として機能するところを、何としても見せたい。

ルーキーイヤーをがむしゃらに走ってきた。敗戦につながる適時失策に涙したこともあり、2軍生活が続いた時期もあった。打率トップをキープする鈴木や、打率3割に挑戦する西川のたくましさに圧倒されることもある。それでも自分の持ち味である「思い切りのよさ」を失わず、ひたむきにプレーを続けている。

尊敬する鈴木もなしえなかった球団高卒新人初のCS出場は、手の届くところにある。小園が今永に牙をむく。【村野森】