優勝を懸けた天王山初戦は、日大国際関係が制し、2季ぶり24度目の優勝に王手をかけた。同率首位で並んでいた静岡産大に8-5で快勝。1点を追う4回から登板した大石亮人投手(2年)が、4イニング11奪三振の快投でチームに流れを引き寄せた。

連覇を狙う東海大海洋も勝ち、2位タイへ浮上。行われる最終戦の結果次第では、3校によるプレーオフの可能性も残されている。

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日大国際関係の松崎裕幸監督は試合後、「今日は総力戦でした」と話した。先制した直後の2回に逆転を許すと、4回からは先発のエース投手を下げ、今季カード2戦目の先発起用が多かった大石を投入。2年生左腕は、直球にスライダー、チェンジアップを交えた投球で打者を翻弄(ほんろう)。相手の勢いを止め「今日は必死に腕を振った。攻撃にリズムを与えるつもりで投げました」と振り返った。

この好投に味方も応えた。4回裏に逆転すると、5回にも1点を追加。なお1死一塁で4番青木伊織外野手(4年)が、右中間へ今季3号となる2ランを放ち、突き放した。「右方向への本塁打は、大学では初めて。昨夏から右打ちの練習を続けていたので、成果が出てよかった」と、笑みをこぼした。

8連覇を目指した今春は、東海大海洋との直接対決に敗れて優勝を逃した。青木は「目の前で決められたのは、人生初だった。みんな、あの悔しさをバネにして夏を過ごしてきた」と話す。覇権奪回にあと1勝に迫ったが「次勝たなければ意味がないので、頑張ります」と力を込めると、連投も辞さない覚悟の大石も「しっかり準備しておきます」と続けた。大一番に向け、チームの士気はさらに高まった。【河合萌彦】