球界最高峰の舞台で歴史に名を刻む。ルーキーの巨人高橋優貴投手が日本シリーズ本拠地初戦の22日第3戦に先発する。新人投手が日本シリーズ初登板初勝利を飾れば、球団では00年高橋尚成以来3人目。

当時と同じく、連敗スタートで迎えた1戦を前に「もう勝つしかない。巨人ファンがたくさん来てくれると思うので、力に変えて投球できれば」。今季5勝中3勝を挙げた東京ドームでの地の利を最大限に生かす。

一流の舞台で戦うためのイメージはふくらませてきた。6月ごろ、今季からマリナーズでプレーする菊池雄星の著書「メジャーをかなえた雄星ノート」を手に取った。伸び悩んだ時期をどのように克服し、海を渡ったのか。5年後、10年後の自分を明確に想像し、チャンスをつかんだ左腕に自らを照らし合わせ、日本シリーズまでたどりついた。

1位指名されたドラフト会議から丸1年。「ドラフトで選ばれてから想像もできなかったことが今起きている。感謝の気持ちを持ってマウンドに上がりたい」と成長への絶好機を逃すわけにはいかない。落とせば王手をかけられ土俵際いっぱいに立たされる。「何とか1つ勝っていい流れを持って来られたら」。マウンドに上がればキャリアは関係ない。強敵に恐れずに立ち向かう。【桑原幹久】